佐藤内閣期の政策転換-「開発」と「福祉」を中心に-
【研究分野】政治学
【研究キーワード】
佐藤内閣 / 自民党 / 開発 / 福祉 / 社会党 / 地域 / 革新自治体
【研究成果の概要】
平成15〜16年度は、主に研究会、関係者へのヒアリング、資料の検討・整理・分析を中心に活動した。以下、研究会日程等を軸に説明する。
平成15年度研究会では、9月福永が「佐藤内閣期における政策転換」で研究の諸前提を報告、10月には堀越作治氏(元朝日新聞記者)からヒアリングを行った。その他、雨宮昭一が「無条件降伏モデル」を中心に、「戦時戦後体制論」の文脈で、佐藤政権時代を位置づけ、16年2月には天川晃が「『革新自治体』の時代」を報告した。研究成果の一部として、中島信吾「『同盟国日本』像の転換-ジョンソン政権の対日政策-」が刊行された。
平成16年度は、労働運動と革新自治体について、それぞれ久米郁男早稲田大学教授、鳴海正泰氏の報告をきき、11月には有田・吉次からそれぞれ中間報告があった。また、沖縄返還前後の内政の調査のために、三木健(琉球新報)、復帰協関係者(仲宗根悟・新垣善春・崎浜盛栄)、我部政明氏等のヒアリングを行った。愛知揆一、佐藤栄作関係資料を、それぞれ仙台・山口で収集した。
平成17年度は、各自報告書の作成に従事しつつ、10月日本政治学会分科会で、村井良太、中島信吾、有田冨美子、宮崎正康が報告を行った。
研究成果としては、福永が「自民党政治のなかの佐藤政治」として、保守本流論と絡めて、佐藤政治を位置づけた。村井は「社会開発論」を中心に、政党システムの変容を分析した。中島は『戦後日本の防衛政策』(慶應義塾大学出版会、2006年)を刊行した。その他、吉次公介はこれまでほとんど研究のなかった沖縄の保守勢力について、「戦後沖縄の『保守』に関する基礎的考察」において分析し、基礎データをまとめた。稲継裕昭「行政改革と政治」で官僚制の問題を、宮崎正康「開発と福祉-高度成長期における福祉の展開」と有田冨美子「高度成長期における家計からみた地域格差と福祉」は、経済学的アプローチで当該期の分析を行った。
【研究代表者】