ストライプ状背景を用いた立体画像合成
【研究分野】メディア情報学・データベース
【研究キーワード】
画像処理 / 画像合成 / クロマキー / 立体画像 / コンピュータビジョン / 3次元計測 / バーチャル・リアリティ / ステレオカメラ
【研究成果の概要】
1.ストライプ状背景を用いた撮影画像からの対象抽出:スタジオ内で撮影された人物などの画像と別途撮影された画像を合成するために必要な、画像からの対象抽出手法を構築した。背景色と同一色の対象を抽出することが不可能であるという従来のクロマキーの問題点を解決するため、2色から成るストライプ状背景を用いて任意色対象の抽出を行った。
2.輪郭抽出処理の高精度化:ストライプ状背景を用いた対象抽出処理で得られる抽出結果をさらに高精度化するために、同結果を初期輪郭として動的輪郭モデル(Snakes)を適用する処理手順を構築した。
3.市松模様の背景を用いた撮影画像からの対象抽出:ストライプ状背景は水平方向のみにエッジが存在するという方向性を有する。従って抽出対象のエッジがこのエッジと平行な場合は両エッジは交差せず、輪郭情報を得ることができない。そこで背景の垂直方向にもエッジを持たせるように市松模様の背景とする方式を提案し、これにより任意の方向の輪郭を抽出することを可能とした。
4.対象抽出・画像合成の改善:異なる2枚の画像を合成する際に綺麗な合成画像を得るためには、対象抽出の輪郭および合成境界部分において、前景画像と背景画像の色合いがどの程度混ぜ合わさっているかを表す指標であるα値の推定が重要である。そこで、より高精度にα値を推定する手法を構築した。
5.画像合成のための幾何学的関係推定:背景と人物の位置や大きさの関係を考慮せずに画像合成を行うと、不自然な画像となってしまう。そこで、ステレオカメラを用いて対象の3次元計測を行うことにより、合成時の前景となる対象の位置情報や幾何学的情報を取得する手法について検討した。
6.立体画像合成実験:提案した画像抽出・合成手法による立体画像合成実験を多数の被写体に対して行うことにより、提案手法の有効性を確認した。
【研究代表者】