半導体レーザの注入同期による全光ネットワークのための全光型再生中継器
【研究分野】情報通信工学
【研究キーワード】
全光ネットワーク / 全光型信号処理 / 再生中継器 / 波形整形 / 半導体DFBレーザ / 緩和振動 / 波長変換 / 半導体光増幅器
【研究成果の概要】
将来の全光ネットワークで重要な全光型信号処理デバイスとして、新しい全光型再生中継器を提案した。これは半導体DFBレーザの注入同期を利用して波形が劣化した強度変調光を波形が等化された周波数変調光に変換し、さらに狭帯域光フィルタにより波形が等化された強度変調光を得るものである。入力信号光の周波数を半導体DFBレーザの自励発振周波数から約10GHz離し、狭帯域光フィルタとしては光ファイバグレーティングを用いた。まず、50MHzの正弦波で強度変調された入力信号光に対して方形波で強度変調された出力光が得られ、波形整形の原理を示すことができた。提案した再生中継器の速度制限要因を検討した結果、半導体DFBレーザの緩和振動が1番の要因であることを見いだした。その回避手法を検討し、入力信号の変調度を変化させる方法を提案した。この方法により、光ファイバ増幅器の雑音により劣化した1.8Gb/sのランダムパターン信号波形を整形することに成功した。今後は回避手法のさらに詳細な検討と、さらなる高速化を試みる予定である。
また、波長変換器も将来の全光ネットワークの実現に欠かせない。半導体光増幅器(SOA)を用いて波長が異なり直交する2つの偏波で発振させ、これを4光波混合の励起光として用いる偏波無依存自己励起型波長変換器を提案し、実証した。変換効率として-22.9dB、偏波依存性として0.8dBを得た。しかしながら、受動モードロック現象により励起光がパルス化するという問題があり、今後の課題である。
【研究代表者】
【研究種目】萌芽的研究
【研究期間】1999
【配分額】2,200千円 (直接経費: 2,200千円)