信号処理と深層学習の融合による高速高精細画像復元に関する研究
【研究キーワード】
デブラー / DCT / GAN / CNN / 深層学習 / 画像処理 / ディフェンシング / 画像復元 / 信号処理
【研究成果の概要】
近年、深層学習の研究が急速に発展し様々な分野で用いられ、従来の古典的なアプローチでは到底到達できないような画期的な成果が得られている。本研究課題では、信号処理と深層学習の融合による高速高精度画像復元技術の開発を行うことを目的とする。画像復元とは、ノイズ等の様々な劣化要因により汚れた画像から、元の画像を復元することである。
2021年度は、DCTを用いて高速高精度なデブラー技術の開発を行なった。さらに学習の際大きな動きボケを含むカスタマイズしたデータセットを用いて学習をおこなった。近年、マルチスケールやマルチパッチに基づいたGANベースのCNNが提案されてきたが、大幅な処理時間を必要とした。そこでこれらのマルチスケール、マルチパッチ処理を用いることなく、テクスチャを保存しつつリンギングアーチファクトを低減させるDeblurDCTGANを提案した。ロス関数としてDCTによる周波数領域ロスを定義することにより、ブロックノイズを減らしつつ、高精度なデブラー復元が可能となった。さらに複数のデータベースからボケ関数を推定し、大きなボケを腹部画像を集めてカスタマイズしたデータセットを用意し、提案法で学習することにより、従来法と同等以上の復元精度が得られた。実際に撮影したボケ画像に対しても高精度な復元が可能になったことを確認した。提案法の処理速度は従来法の1/10以下であり、高速高精度なデブラー技術を確立した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)