リライアブルマルチキャスト通信網構成
【研究分野】情報通信工学
【研究キーワード】
リライアブル / 信頼性 / マルチキャスト / 通信網 / トポロジー / 網構成
【研究成果の概要】
リライアブルマルチキャストでは,正しく届かなかったパケットの再送を行うので,その再送方式と網トポロジーにより,効率が変わってくる.そこで,リライアブルマルチキャストにおけるいろいろな再送方式がどの網トポロジーに向いているのか検討を行った.再送方式としては,送信元のサーバが行うか,最寄りのグループサーバまたは最寄りの受信ノードが行うかにより,グローバルリカバリ方式とローカルリカバリー方式に分けられる.また,それぞれに関して,マルチキャスト再送とユニキャスト再送がある.したがって,合計4通りの再送方式があることになる.
本研究では,ランダムに配置したノード数17のモデルを用いた.網トポロジーとしては,スター,リング,デルタスター(スターとリングの組合せ)の三つを対象にした.また,サーバは,中心にある場合と偏在している場合の2通りを考えた.このモデルにおいて,確率計算により再送トラヒックを求め,マルチキャストのコストを算出した.その結果,サーバ中心形モデルのスターではユニキャスト再送を用いたグローバルリカバリ方式及びローカルリカバリ方式が等しく,リングではユニキャスト再送を用いたローカルリカバリ方式が,デルタスターではユニキャスト再送を用いたグローバルリカバリ方式がそれぞれ効率的であることが分かった.また,サーバ偏在モデルでは,いずれのトポロジーにおいてもユニキャスト再送を用いたローカルリカバリ方式が効率的であることが分かった.すなわち,サーバと受信ノードの距離が大きいほど,最寄りのノードから再送を行うことができるローカルリカバリの特性が良くなるといえる.
次に,これらの三つのトポロジーを階層構成にした場合について検討を行った.場合の数が多いので,詳しい結果については省略するが,ユニキャスト再送を用いたローカルリカバリが効率的である場合が多いことが分かった.
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】1999 - 2001
【配分額】3,500千円 (直接経費: 3,500千円)