高精度金型設計のための粉体成形シミュレーション技術の実証
【研究分野】計算科学
【研究キーワード】
Discrete Element Method / 離散要素法 / 符号付距離関数 / 埋込境界法 / デジタルツイン / サイバーフィジカルシステム / DEM / DEM-CFD / 数値流体力学 / 粉体 / 非球形粒子モデル / 楕円粒子モデル / 粉体シミュレーション / 粉末金型充填 / 固体-流体連成問題 / 単位操作 / 計算科学 / 化学工学 / 粒子法 / 粗視化 / 計算物理
【研究成果の概要】
本年度、研究代表者のグループで開発したFlexible Euler-Lagrange method with an implicit algorithm(FELMI)コードに、楕円体を用いた非球形粒子モデルを導入した。楕円体粒子の接触力はDiscrete Element Method(以下、DEMと記す)で模擬した。符号付距離関数を用いた壁境界と楕円体粒子の相互作用に関する妥当性確認を実施し、FELMIによる数値シミュレーション結果が既往の実験結果を再現できることを示した。複雑形状の壁境界が移動しても、楕円体粒子を用いたDEMシミュレーションが安定的に実行できることも実証した。さらに、本研究のターゲットである粉末金型充填の数値シミュレーションも実行した。粉末金型充填において、移動壁を模擬するとともに、楕円体粒子と空気の相互作用もモデル化した。その際、Computational Fluid Dynamics(CFD)において局所体積平均を採用し、抗力の評価には楕円体粒子のオリエンテーションも考慮した。このようなモデル化により楕円体粒子を金型に充填する数値シミュレーションに成功した。なお、移動壁が伴う楕円体粒子の固体-流体連成シミュレーションは、モデリングが極めて困難なため世界でほとんどなされていない。また、楕円体粒子によるDEMシミュレーションに線形バネを使用できることも実証した。楕円体粒子によるDEMシミュレーションに線形バネを使用すると、数値シミュレーションを安定的に実行することができるため、極めて有用な成果と言える。なお、コロナにより外国機関と直接交流することは難しかったため、不定期にオンライン会議などを開催して研究を進めた。
【研究代表者】
【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
【研究期間】2018 - 2022
【配分額】15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)