誤り許容・高バンド幅の光通信を用いた不確実容認コンピューティング
【研究キーワード】
相互結合網 / Approximate コンピューティング / 光通信 / 計算機システム・ネットワーク / データセンター / Approximateコンピューティング
【研究成果の概要】
高性能近似計算を対象に、不確実容認計算機システムとその計算機システム上で動作するアルゴリズミクスに関する研究を行った.半導体技術の微細化に頼った電気結合網の性能向上には限界がある一方,フォトニクスを用いた電気結合網には依然として大きく発展を遂げる余地が残っている.フォトニクスの高い性能を活用するために,モバイル x Haulネットワークに関する,将来の光ネットワークアーキテクチャの検討した.また,電気ネットワークスイッチにおいて,入力波長単位でルーティング処理を行うことでポートあたり1Tbpsを越えるラインレート処理を可能にする技術を開発し,不確実容認の概念に基づく計算機システムの高性能結合網のアーキテクチャを明らかにした.
Co-Packaged Optics (CPO)や高密度シリコンフォトニクストランシーバーを用いることでネットワークスイッチの次数が大幅に上がることが予想される.次数増加に対応する並列近似アプリケーションのジョブスケジューリングとマッピングも開発した.さらに,不確実容認コンピューティングの応用アーキテクチャとして,分散深層学習におけるパラメータの最適化に FPGA ベースのネットワークスイッチを使用する方式,パラメータの集約に DPDK(Data Plane Development Kit)を用いたソフトウェアスイッチを使用する方法を提案した.
アルゴリズミクスに関しては,コンピュータウィルスや侵入者のパターン等の大量のデータ列を登録することが可能なデータ構造であるBloom FilterをFPGAに実装した.この実装では,ネットワークに流れるパケット内の登録パターンを高速に検出できる一方.誤検出する確率が極めて低いことが分かった.
【研究代表者】