大規模画像処理に適した高機能ディスクアレイシステムの研究
【研究分野】情報学
【研究キーワード】
ディスクアレイ / 画像処理 / アーキテクチャ / 磁気ディスク
【研究成果の概要】
大規模画像処理においては,大容量の二次記憶デバイスの存在が不可欠である。一方,磁気ディスク装置の小型化が年々急速にすすんでおり,大型計算機用のディスクと比較し,コストの点でははるかに安価で同等の性能のものがある。本研究の目的は,これらの超小型ディスクを利用して大規模画像処理に適した高機能ディスクアレイを構築する為の方法論を確立することにある。とりわけ画像データは莫大であることから,必ずしも全てのデータを磁気ディスクアレイ上にレジデント化することは現実的でなく,テープデバイスを融合化した階層記憶システム内に適切に位置づけられるべきである。この様な考えをもとに,本年度は昨年度の成果をもとに,実際に16台のデータディスク,1台のパリティ,1台のスペアディスクから成るRAID型ディスクアレイを試作した。各ディスクは600MB,2.0MB/秒の特性を有し,全体で約10GB,30MB/秒の性能を達成する。極めて高速であることから,通常のSCSIではホストマシンとの接続が不可能であり,本研究ではSUNワークステーションをホストとし,S-bus直結インタフェースを独自に開発した。又,同時にSUN-OS上に専用のI/Oドライバソフトウェアを開発し,超高速入出力ファイルシステムを構築した。更に並列8mmテープアーカイバと接続することにより,大規模階層記憶系の中でのマイグレーション系をシステムを一部実装し,その有効性を明らかにした。特に,衛星画像等巨大画像応用に対し,極めて強力なフレームワークを確立出来たが,今後更に充実したソフトウェア環境,ならびにデータ管理ツールの開発を予定している。ブロック仮想化に基づくディスクコントローラ上での管理機能については方式検討を完了したが,更に画像圧縮伸長等の高次機能についても検討を進めた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
喜連川 優 | 東京大学 | 生産技術研究所 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】一般研究(A)
【研究期間】1992 - 1993
【配分額】19,900千円 (直接経費: 19,900千円)