自然言語による画像の知識表現とその利用について
【研究分野】情報学
【研究キーワード】
画像処理 / 自然言語による知識表現 / シソ-ラスによる語彙分類 / オブジェクト指向 / CLOS / 概念辞書 / 日本語解析 / 言語情報の画像化 / 画像処理システム / 日本語解析システム / 意味素による語彙分類 / 語彙デ-タベ-ス / 画像処理エキスパ-トシステム
【研究成果の概要】
1.画像処理に関係する電子情報通信学会論文誌中の約100の文献数を対象として語彙抽出を行い,名詞,形容詞,形容動詞がそれぞれ約3600語,65語,190語,また動詞と副詞が約390語と70語から成る語彙辞書を作成した.
2.語彙概念表現と画像処理とを統一的に行なうことを目的として,UNIXをOSとするワ-クステ-ション上でオブジェクト指向に基づいた画像処理システムを作成した.このシステムは,CommonLispに準拠したLispに画像処理用の関数とCLOSSに基づいたオブジェクト指向環境実現のための主要な関数を組み込んだもので,汎用のリスプシステムに較べて効率的な画像処理の実行が可能である.
3.格関係子,事象関係子,意味関係子,制限関係子,仮関係子からなる概念間の関係子を導入し,意味ネットワ-クを用いることによって概念を表現した.また,画像処理に直接関係する語彙に対する概念辞書を作成した.この辞書はシソ-ラスによる概念の分類によって構造化されており,上位/下位の概念間のデ-タおよび手続きの継承が可能になっている.
4.概念表現の応用の一つとして,画像処理の日本語インタ-フェ-スを作成した.このシステムでは,入力された日本語文の構文解析によって得られた句構造木に対して,概念辞書を利用した概念間の関係解析によって画像処理を実行するための関数を生成する.
5.言語として与えられた部屋の情景情報を日本語解析し,その情景を画像化するためのシステムを開発した.このシステムでは,概念辞書に記述されたオブジェクトの形状情報と言語として与えられた種々の拘束情報とから,拘束条件に矛盾しないような物体の見え方や位置関係を決定し,画像化することができる.
【研究代表者】
【研究種目】一般研究(C)
【研究期間】1989 - 1990
【配分額】1,600千円 (直接経費: 1,600千円)