変動する物体のための次世代コンピュ-タトモグラフィに関する研究
【研究分野】情報工学
【研究キーワード】
コンピュ-タトモグラフィ / 投影デ-タ / 3次元画像 / 動画像 / 画像処理 / 画像再構成 / 円錐ビ-ム投影 / 射影フィルタ / コンピータトモグラフィ / 3次元CT / 不完全投影 / 一般標本化定 理
【研究成果の概要】
医学の分野に革命をもたらしたコンピュ-タ・トモグラフィ(CT)は、ここ10数年の間に目覚ましい発展を遂げてきた。しかしながら、現在の技術では、直接再構成できる断面は、体軸横断面、あるいは、それから僅かにずれた傾きを持つ断面に限られている。この様な2次元画像を再構成するアルゴリズムを用いて、任意断面や3次元画像を再構成することは大変効率が悪く、デ-タの計測、計算に時間がかかるため、従来、変動する物体の2次元、あるいは3次元断層像を再構成することは不可能であると考えられてきた。研究代表者らは、この難問に対して、本年度に次のような研究成果を上げ、変動画像に対するCTの実現に向けて着実に一歩前進することができた。まず、投影方式として、従来より用いられている多層スライス方式に代わり、円錐ビ-ム投影方式により3次元対象から高速にデ-タを収集することを想定し、円錐ビ-ムデ-タから直接3次元画像を再構成することのできるアルゴリズムを提案した。それは、特に、検出器を高速回転したときに生じるブレの問題をも考慮した、現実的な手法となっている。また、2次元画像デ-タ、及び3次元画像デ-タの投影が持つ冗長性の構造を明確にし、それを利用して再構成画像の精度、品質を高める手法を導いた。さらに3次元空間中で任意方向に隣接した画像値の連続性等、3次元画像の持つ特有の冗長性や構造を、計算アルゴリズムに反映するために、それらの構造を線形部分空間として記述して利用する、部分射影フィルタの理論を構築した。またエミッションCTに対する3次元画像再構成アルゴリズムを明らかにした。
【研究代表者】