ポストムーア時代に向けたオンチップネットワークの電力効率最適化
【研究キーワード】
オンチップネットワーク / 不揮発性メモリー / インメモリ・ルーチング / 強化学習 / バンド幅 / 遅延 / 電力効率 / 安全性 / ポストムーア / 需要駆動 / 帯域幅 / 消費電力 / ムーアの法則 / 最適化 / 設計探索
【研究成果の概要】
本研究では、オンチップ・ネットワークの電力効率を向上させることを目指しており、需要駆動型の設計を提案することと強化学習による電力効率の高い広範な設計探索を行う研究である。具体的には、「インメモリ・ルーチング」及び、「強化学習に基づく実行時トポロジーカスタマイゼーション」に焦点を当てて、2021年度は高エネルギー効率や低コストのオンチップ・ネットワークを実現した。
まず、インメモリ・ルーチングの概念に基づくルータ設計では、電力効率や面積を狙い、オンチップルータ内のクロスバースイッチ、アービトレーター、バッファなどのコンポーネントをメモリデバイスに置き換えることで、ルーティングではなく、ルータにトラフィックを保存と転送するという新しい概念を実現する。この提案を、不揮発性メモリデバイスなどのメモリ技術や、ルータの異なるチャネル間でメモリデバイスを共有するなどのアーキテクチャ技術を用いて最適化することで、効果をさらに向上させる。本提案については、査読付きの学術論文誌に掲載する論文を作成中である。
そして、強化学習に基づく実行時トポロジーカスタマイゼーションは、強化学習に基づいた最適なトポロジーを適用し、性能低下を招くことなく、実行時に最大の電力効率を実現することである。さらに、強化学習のエージェントを異なる階層(ネットワーク全体、ルータ内等々)に実装し、実行時にネットワークを観察して学習する。このエージェントは最終的に最適な選択を進化させる。また、この提案に関する論文は、査読付きの学術論文誌に掲載されるよう準備中である。
さらに、オンチップ・ネットワークのハイブリッド・バッファリング(2020年度に完成した部分)に関する論文も査読中であり、2021年度には既に3本の学術論文(車載ネットワークのセキュリティ問題について)が発表されている。
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2020-09-11 - 2023-03-31
【配分額】2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)