エネルギー自動分析のためのデータモデルと物理モデルのハイブリッドモデル分析手法
【研究キーワード】
分散型エネルギー資源(DER) / エネルギーネットワーク / 分散協調制御 / エネルギー融通 / 共助型レジリエンス / レジリエンス特徴量 / エネルギーデータ / エネルギーモデル / 協調制御 / 調整力制御自由度 / 特徴量抽出 / データモデル / 物理モデル / 最適化
【研究成果の概要】
昨年度と同様に、①特徴量抽出,データ選択利用、②データとモデル連携手法、③エネルギー構造化モデル、の各テーマ研究を進めた。需要家をDERエージェントと再定義し、自立、協調、全体統括の各制御によるDER群ポテンシャル評価を研究の新たな主眼とした。経済性、環境性、調整力などの価値指標に加え、広域停電時の需要家レジリエンス性能を新たな価値指標と位置付け、以下の主要成果を得た。
・DER群個別制御による「自助」型レジリエンス制御方式と、近隣DER間エネルギー融通などの協調制御による「共助」型レジリエンス制御方式を提案し、レジリエンス性能の定量的評価を試みた。共助型レジリエンス制御で、各DER余力が低いとき、協調グループ規模の拡大により、かえってレジリエンス性能が低下する「共倒れ現象」を発見した。(テーマ①②)
・「共倒れ現象」解決のために、各エージェントに対しレジリエンス性能指標を定義し、エージェント間の共助グループ化ネゴシエーションアルゴリズムを提案した。結果として、レジリエンス性能の優れたエージェント同士が選択的にグループ化されることで、「共倒れ現象」の回避を確認した。このときグループ化から除外されたエージェントは全体の数%にとどまり、それらは社会的「公助」サービスでカバーすべきものとした。(テーマ①②)
・エネルギーデータ群から有限個のDER最適運用パターンをクラスタリング手法により抽出する手法を提案した。有限個の運用パターンに基づく制御則だけで、日々の最適制御に比較し、年間運用コスト増分が7%以内にとどまり、従来型最適制御と遜色無い実用性が判明した。(テーマ①)
・DER群アグリゲーション性能の評価手法として、可制御軌道によるDER制御性能可視化手法を考案し、常に将来の可制御軌道集合を最大化する運用計画による調整力ポテンシャル最大化アグリゲーション制御方式を提案した。(テーマ③)
【研究代表者】
【研究分担者】 |
林 泰弘 | 早稲田大学 | 理工学術院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)