東京学派の研究
【研究キーワード】
東京学派 / 東京帝国大学(東京大学) / アジア / 日本 / 翻訳 / 近代 / 経済学史 / 哲学 / 宗教 / 社会学 / 経済学・経済史 / 経済学 / 帝国の哲学 / 近代化論 / 宗教概念
【研究成果の概要】
東京学派という発見的な概念を通じて、東京大学を中心として形成されてきた東京発の学知を、批判的に解明することが一定程度実現された。近代と前近代、日本とアジアという分割線を意識しながら、哲学・社会学・経済学・歴史学・文学の各分野における東京学派の位置付けと問題系を明らかにした。最終的に、戦前と戦後におけるそれぞれのディシプリンの変容を取り上げることで東京学派の編成を明らかにした。
研究成果は『ブックレット東京学派』全4号にとりまとめた。また、海外の研究者の招聘や国際学術誌での特集号企画などをつうじて、近代日本思想を論じるための研究プラットフォームを作り上げることができた。
【研究の社会的意義】
西田幾多郎らに代表される京都学派は国際的にも頻繁に研究対象に取り上げられてきたのに対し、東京学派は脱中心化されながら、日本社会全体の構造に浸潤してきたといえる。本科研の活動は東京学派の実態をあきらかにし、近代日本学術の経験を国際的に共有するとともに、この学派に対する批判的考察を可能とした点に意義がある。
くわえて、東京という都市を舞台に形成された近代学術の問題系を再評価することによって、学術のグローバル化が進む時代における学知の国際的かつ国内的なネットワークを明らかにする役割を明確にした。
【研究代表者】