オンラインパネルモニタ構築による社会科学的研究
【研究キーワード】
ウェブ調査 / 無作為抽出 / 公募 / 調査モニタ / 社会調査 / 実験 / 社会意識 / 社会階層 / オンラインパネル
【研究成果の概要】
本申請の目的は,無作為抽出による社会調査のオンラインモニタを構築し,公募された質問をベースとした調査から,共同研究を促進するものである.2021年度は調査票の作成,ベース調査のサンプリングと実査を行った.調査対象は日本に在住する21-40歳の男女個人であり,層化二段無作為抽出法を適用した.全国を地域ごとに11地域に分類した上で,各地域を人口規模別に層化し,各層の規模に応じて調査地点を配分した.第一次抽出単位である調査地点は,無作為に抽出した該当者が存在する町丁目調査区として充てた.第二次抽出単位である対象者は,当該町丁字から無作為に抽出した.日本全国150地点6,600人を対象として調査を依頼し,1,576名からの回答を得ることができた(23.9%).調査は社会科学研究所に設置したLimeSurveyというウェブ調査システムによってによってオンラインで行い,社会人口学的特徴,社会意識・態度・価値観,政治意識,健康状態などについてたずねた.また趣味や活動,入職経路については自由回答として,情報を収集した.データのクリーニングとコーディングを行い,次年度の質問項目の公募および基礎的な分析を行う準備が整った.また1338名(20.2%)から,次年度以降の調査について協力の承諾を得た.なお,プリテストのデータをもとに,調査会社のウェブモニタの比較も行い,ランダムサンプリングの対象者と調査会社のモニタの類似点や差異についての分析を進め,学会および論文で報告した.また,本調査の「就業構造基本調査」や「国勢調査」の調査票情報を用いた分析から格差・不平等の実態とトレンドを明らかにするため,多喜弘文(法政大学),吉田崇(静岡大学),尾嶋史章(同志社大学),阪口祐介(関西大学),有田伸(東京大学),古田和久(新潟大学)を研究協力者として加え,公的統計データを活用した.
【研究代表者】