母乳育児が産後うつ症状とBondingに及ぼす影響
【研究分野】生涯発達看護学
【研究キーワード】
母乳育児 / コルチゾール / ストレス / bonding / 産後うつ / Bonding / オキシトン / メラトニン / オキシトシン
【研究成果の概要】
母乳育児がストレス、産後うつ症状およびBonding障害に及ぼす影響について明らかにすることを目的に、産後2週間健診、産後1か月検診、および産後母子クラス(産後3か月迄)に参加する授乳中の母親を対象として、授乳場面で、以下のデータを横断的に収集した。1)授乳やうつ尺度、愛着に関する質問紙調査の記入、2)唾液を授乳前・後に自己採取、3)心拍モニターで授乳 前・中・後の鎮静作用を測定した。また、産後1か月時の授乳関連および心理社会的のどの要因が、産後3か月後の完全母乳栄養に関連するか探索するため、母乳育児セルフエフィカシー得点、授乳後のストレスレベル、乳房トラブル等、縦断的にデータ取集を行った。
【研究の社会的意義】
授乳時の乳頭刺激によって分泌されるオキシトシンは、ストレス反応の抑制と関係する。本研究で、ストレスホルモンである唾液中コルチゾール値は、授乳中の乳首への吸啜時間が長いほど減少することが、初めて生理学的に明らかにされた。母乳育児は知覚ストレスも減少させ、母乳育児への効力感を高めることが明らかにされた。特に、母乳が主体の混合栄養群では,授乳後の唾液中コルチゾール値は有意に低下した。更に、母乳栄養の母親は混合栄養の母親に比べ,知覚ストレスが低かった。オキシトシンはストレスの他、産後うつ病のリスクを軽減させ、母親の児に対するBondingを強化する作用もあるため、母乳育児を推進する社会的意義がある。
【研究代表者】