移民の親の教育関与を支える<家族ー学校ー地域連携モデル>に関する日米研究
【研究キーワード】
移民第二世代 / 移民家族 / 親子関係 / アイデンティティ / 複合的困難 / コロナ禍 / ウェルビーイング / 教育機会 / 移民の子ども / バイリンガル教育 / 市場型教育改革 / 排外主義 / マイノリティ言語 / 多様性 / 親の教育関与 / 家族支援 / 家族ー学校ー地域の連携 / 文化的に適切な教育 / アメリカ / 国際比較 / 家族-学校-地域の連携 / 日米比較 / トランスナショナリズム
【研究成果の概要】
本年度の研究実績は以下の通りである。
第一に、フィリピン系を中心とする在日移民家族へのインタビュー調査をもとに、移民家族が日本社会で直面する複合的困難について、経済、文化、社会関係の重なりから理解する理論枠組みを構築した。この結果は共編著において発表した。
第二に、2010年から継続して行ってきたフィリピン系移民第二世代の若者に対するインタビュー調査の結果を共著にまとめた。家族の日本社会への編入様式と親子関係に注目しながら、移民第二世代のアイデンティティ形成と適応の多様化について分析し、公正な教育機会と多様性の承認について日本社会の課題を考察した。この結果は国際ワークショップでも発表し、多くのフィードバックを得た。
第三に、長期化するコロナ禍がマイノリティの子どもに与えた影響について、アメリカとイギリスの事例を取り上げて分析し、共著論文で発表した。休校とオンライン学習の導入が社会的に弱い立場にある子どもたちの教育機会とウェルビーイングを損なっていることを提示し、教育と福祉の両側面から公教育の役割を再定義していく必要性について考察した。この問題提起は、日本教育学会80回大会の課題研究の企画にも反映させた。
第四に、国内における調査を以下の3つのフィールドにおいて進展させた。①「外国人の母親のための育児サロン」におけるフィールドワークを継続し、移民第一世代の母親の家庭教育についてインタビューを実施した。②移民1.5世の若者3名の追跡インタビューを実施し、コロナ禍における仕事や家族関係の変化についてデータを収集した。③移民生徒が在籍する高校において教員インタビューを実施し、外国人保護者対応の状況と課題についてデータを取集した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)