看護師のネガティブ・ケイパビリティ構成概念の検討と測定尺度の開発
【研究キーワード】
ネガティブ・ケイパビリティ / オンラインインタビュー / 半構造化面接 / テキストマイニング / 共起ネットワーク分析 / レジリエンス / 看護実践能力 / 構成概念 / 測定尺度
【研究成果の概要】
悩める人に寄り添うための共感が成熟する過程で伴走し、容易に答えの出ない事態に耐えうる力であり、看護師自身が心身の安寧を保ちながら質の高い看護を提供できるために必要な能力とする「ネガティブ・ケイパビリティ」の構成概念を明らかにすることを目的として、ネガティブ・ケイパビリティの構成概念に関する質的情報を得るために、都内の訪問看護ステーションに勤務する看護師を対象に2021年12月―2022年3月にインタビュー調査を実施した。
方法は、Covid-19のまん延状況に鑑み、Zoomを用いた個人インタビューとし、約1時間にわたる半構造化面接を行った。対象は都内の訪問看護ステーションに勤務する訪問看護師6名であり、その内訳は、年齢:30代―50代、性別:女性4名、男性2名、立場:管理者3名、スタッフ3名であった。
半構造化面接の主な項目は、① 「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態」、「悩める人に寄り添う中で、容易に答えの出ない事態」に訪問看護師として直面したり関わった体験、② その体験を「どうにも答えの出ない、対処しようのない事態」「容易に答えの出ない事態」と捉えた理由、③ 関わりの中で生じた看護師の感情、④ その体験における看護師の対処行動、⑤ 訪問看護師が、「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」、「悩める人に寄り添うための共感が成熟する過程で伴走し、容易に答えの出ない事態に耐えうる能力」を養っていくためにはどうしたらよいか。とし、以上を対象者の語りの内容に関連させながら聴取した。その結果、それぞれのインタビューにおいて共通する内容、ならびに個人的な思いが存在することが推察され、現在、テキストマイニング、共起ネットワーク分析、内容分析の手法によるデータの解析に取り組むべく、データの整理に取り組んでいる。
【研究代表者】