スタチン使用による糖尿病発症リスクに関するメタボローム疫学研究
【研究キーワード】
コホート / メタボローム / レセプト / スタチン / 糖尿病 / 地域在住者コホート / レセプトデータ / 脂質異常症治療薬 / コホート研究 / 脂質異常症
【研究成果の概要】
本研究は「山形県鶴岡市の地域在住者コホート」のデータを用いて、スタチン服薬と血漿中メタボローム解析による網羅的代謝物および臨床検査値や糖尿病有病状態との関連を明らかにする事を目的として実施した。実施に際し、コホートデータ(人間ドック型健診・本コホート独自の検査・自己記入式質問紙による生活習慣の情報)と、診療録(レセプト)情報を活用した薬剤処方情報データベースを構築した。高強度スタチン服薬群は低強度スタチン服薬群に比べてα-ケトグルタル酸の低下が観察され、糖尿病発症の機序解明に貢献する可能性が示唆された。更に、自己記入式質問紙で得られた服薬情報のバリデーション研究についても論文を作成し公表した。
【研究の社会的意義】
本研究は、環境と遺伝要因に影響される生体内の代謝動態変化を鋭敏に把握するのに有用な手法である、血漿中メタボローム解析に加え、診療録(レセプト)情報からも得られる正確な薬剤処方情報も用いる事で、スタチン服薬による代謝変化を精度高くかつ詳細に解明する事を可能とした。高強度スタチン服薬群では低強度スタチン服薬群と比較して、α-ケトグルタル酸の低下が観察された。本成果は糖尿病発症の機序解明に貢献する可能性を示唆するとともに、スタチン服薬による糖尿病発症という副作用の予防に貢献するバイオマーカーの同定にも寄与すると思われる。また自己記入式質問紙による生活習慣病治療薬の服薬情報が有用である事も示唆された。
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2019-04-01 - 2021-03-31
【配分額】2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)