炎症・発癌過程におけるDysbiosisが腸上皮幹細胞に与える影響の解明
【研究分野】消化器内科学
【研究キーワード】
炎症性腸疾患 / Dysbiosis / Notch / 消化管幹細胞 / E-cadherin / 樹状細胞 / Notch経路 / 腸炎 / 大腸癌 / 幹細胞 / 内科 / 細菌 / 細胞・組織 / トランスレーショナルリサーチ / 免疫学
【研究成果の概要】
pks(+)E.coliの存在量を疾患別に比較し、健常者に比べて大腸腺腫・癌患者においては、pks(+)E.coli量が増加し、一方炎症性腸疾患患者ではpks(+)E.coliは逆に減少していた。
Tgfbr2欠損樹状細胞中ではCdh1遺伝子の発現が亢進していた。樹状細胞は上皮とカドヘリンタンパクを介して直接結合し、Notchの活性化を誘導することで腸炎の病態に関与していた。
Notchの恒常的活性化によって内分泌系前駆細胞が幹細胞様細胞へ脱分化することがわかった。さらに、Apc遺伝子のノックアウトを併用することで、Notch活性型内分泌系前駆細胞が腫瘍起源細胞として働くことも明らかにした。
【研究の社会的意義】
E.coli中に含まれるpks island遺伝子の有無を大腸洗浄液中から非侵襲的に検出する方法を確立した。
樹状細胞と上皮の相互作用をIn vitroでモニタリング可能な樹状細胞と上皮オルガノイドの共培養系を構築した。
今回マウスモデルと臨床サンプルで同定した樹状細胞と上皮Notch経路、およびDysbiosisとの関連機構は、ヒトIBDの病態を理解する上で重要な知見であると考えられる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
早河 翼 | 東京大学 | 医学部附属病院 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)