新量子化学文献データベースシステムの開発
【研究分野】物理化学
【研究キーワード】
量子化学文献データベース / 量子化学 / データベース / 非経験的分子軌道法 / ab initio計算 / 情報検索 / 情報科学 / ab initio method / 量子化学計算
【研究成果の概要】
量子化学文献データベース(以下QCLDBと略す)は、国内外の主要な学術雑誌に発表された、非経験的量子化学計算に関する文献を収録したデータベースであり、広く世界中の研究者に利用されている。本研究の目的は、QCLDBを、さらに質の高いデータベースとして、恒常的に提供するため、システム全体を見直し、新しいQCLDB(以下QCLDBIIと略す)を構築することである。このため、先ず、データの書式や項目などの検討を行った。計算方法、基底関数等の項目におけるキーコード入力を、より柔軟なキーワード方式に変更した。さらに、化合物名称欄を新たに設け、タンパク質等の巨大分子、固体表面などを表記可能にした。これに伴い、データチェックプログラム及び査読用プログラムを新たに作成し、2001及び2002年度のデータベースの作成に用いた。
今まで、試験公開のため、最新年度は未公開であったQCLDBを、最新版を含むすべてのデータを、岡崎国立共同研究機構計算科学研究センターにおいて、学術研究目的の利用のためにQCLDBIIとしてWWW公開している。公開にあたって、新旧、両書式のデータを単一の検索システムで利用できるように、新たに検索システムを作成した。アカウント登録から検索までを自動的に処理することが可能である。また、アクセス等の統計情報の処理の必要性が生じたため、取得項目などの検討を行った。WWW公開に加え、単年度ごとのデータベースを、エリゼビア社のTHEOCHEM誌に公表している。
他には、毎年、データベースの精製及び構築作業の見直しや、収集・査読者への講習会を開催し、新検索システムの紹介を行っている。
【研究代表者】