内耳の受傷性に対する概日リズムの影響
【研究キーワード】
蝸牛 / 内耳 / 時間 / 易障害性 / 音響障害 / 神経科学 / 解剖学 / 細胞・組織 / 脳・神経 / 概日リズム
【研究成果の概要】
概日リズムタンパク質の発現量がもっとも多いサーカディアン時刻での免疫染色を行った。CBAマウスの脳と側頭骨を摘出、脳組織はfree floating切片、凍結切片、パラフィン切片、内耳はsurface preparation、凍結切片、パラフィン切片を作成、蛍光免疫染色と酵素抗体法を行った。floating切片の視交叉上核でのPER1とPER2のみ陽性細胞を確認できたが、蝸牛内の発現は自家蛍光が強く評価困難であった。C57BL/6Jを強大音暴露したが、暴露後24時間後、2週間いずれの群においても日中暴露群は夜間暴露群に比べてABR閾値が上昇しており、先行研究と矛盾する結果であった。
【研究の社会的意義】
本研究では概日リズムが蝸牛の障害に与える影響を調べ、同じ障害条件であっても難聴などの内耳障害を来しにくい時間を見いだすことが目的である。ただし、概日リズムに関するタンパクの発現は脳組織では確認できたが、蝸牛では良い抗体がなく、評価が困難であった。また、音響外傷を来す実験においては、日中暴露群が夜間暴露群に比べて難聴は悪化する結果となた。この結果は、同じ強大音響でも時間帯によって生じる難聴の程度が異なることを意味しているが、先行研究とは逆の結果であり、さらに検討を加える必要がある。
【研究代表者】