胎盤における栄養状態によるエピゲノム制御の分子メカニズムの解析
【研究分野】応用健康科学
【研究キーワード】
生活習慣病 / DOHaD / エピジェネティクス / 栄養成分 / 胎盤
【研究成果の概要】
低出生体重は成長後の様々な生活習慣病のハイリスクであるとするDOHaD説が確立しつつあるが、分子機序は不明である。今回、我々は胎盤重量と出生体重の両方が高い検体と低い検体を用いて、マイクロアレイで網羅的遺伝子発現解析を行った。その結果、出生体重、胎盤重量の高い群は低い群と比較して、発現増加した遺伝子が38遺伝子、発現減少した遺伝子が69遺伝子であることが示された。従って、出生体重、胎盤重量と遺伝子発現量が関連する遺伝子をいくつか同定した。現在、同定した遺伝子がどのような発現制御様式なのかを栄養やエピゲノム制御を含めて検討している。
【研究の社会的意義】
本研究課題により、我々は胎盤重量と出生体重の両方が高い検体と低い検体を用いて、マイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を行い、胎盤重量、出生体重と遺伝子発現量が関連する遺伝子をいくつか同定した。今回、同定した遺伝子は、出生体重や胎盤重量との関連性について報告のない遺伝子がいくつか含まれていた。現在、これら同定した遺伝子発現と栄養成分との関連性について検討しているが、この検討により、どのような栄養成分が妊婦に重要であるのかを示すことができる。さらに将来的に、その栄養成分を用いて妊婦への介入指導を行うことができれば、DOHaD説に基づく生活習慣病の予防につながり、「先制医療」の実現に期待される。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)