COVID-19流行時の幼児の生活習慣や身体状況からみた健康管理上の課題と対策
【研究キーワード】
COVID-19 / 幼児 / 生活習慣 / 体温 / 体力
【研究成果の概要】
本研究では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行期における日本各地の幼児の生活習慣の実態を把握し、子どもたちの抱える・抱えさせられた健康管理上の問題点を抽出し、改善策や予防策を検討することとした。
2021年度は、日本各地の幼児の生活習慣について、沖縄県、福岡県、広島県、大阪府、京都府、富山県、東京都、茨城県、千葉県、宮城県の全国10箇所における幼児の生活習慣調査を実施した。あわせて、朝の体温測定や体力・運動能力測定を行い、客観的な指標となるデータを集めた。
その結果、緊急事態宣言中の3~6歳の幼児の生活習慣について、登園継続児と登園自粛児を比べると、登園継続児と登園自粛児ともに、9時間30分未満睡眠の幼児が2~4割おり、短時間睡眠の実態であった。体温については、登園自粛児は、登園継続児と比べ、朝の平均体温が有意に高く、37.0℃以上の高体温の人数割合も多い傾向であった。体力については、2021年の両手握力値と25m走の結果は、低下傾向であり、コロナ禍の運動不足による体力・運動能力の低下を懸念した。また、幼児の生活習慣とスマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスの使用状況について、デジタルデバイスを使用している幼児は7割以上おり、1日の平均利用時間は1時間を超えていた。加えて、テレビ・ビデオ視聴時間も1時間以上であったことから、長時間のメディア利用の実態が明らかとなった。幼児期の望ましい生活習慣として、21時前就寝、7時前起床、夜間10時間以上睡眠、朝食摂取ができている幼児は、就寝時刻・起床時刻・排便時刻が早く、睡眠時間が長く、テレビ・ビデオ視聴時間が短いという特徴がみられた。
【研究代表者】