プレ・アイヌ期の人類集団を捉え直す:北海道先史時代人骨についての総合的研究
【研究分野】自然人類学
【研究キーワード】
プレアイヌ / オホーツク文化 / 擦文文化 / 縄文 / ゲノム / プレ・アイヌ / 続縄文 / 擦文 / 縄文文化 / 続縄文文化 / 北海道
【研究成果の概要】
研究期間中に、査読つき英文論文6編、査読つき和文論文5編を出版した。成果の中で特筆すべきものとして、江戸時代アイヌのミトコンドリアDNAについて世界初の論文を公表したことが挙げられる。この研究で、アイヌは縄文時代人の遺伝的特徴を色濃く受け継ぐ他に、シベリア先住民族および本州日本人の遺伝的影響も想像以上に大きいことが明らかとなり、日本列島人の成立を説明する二重構造モデルに一部修正が必要なことを初めて実証した。さらに、北海道船泊遺跡出土縄文後期人骨について、世界初となる現代人レベルでの高精度ゲノム解析に成功した。このデータは今後日本列島人の成立を考える上で根幹となる重要なものである。
【研究の社会的意義】
日本列島の人類集団の成立を説明する説として広く受け入れられている二重構造モデルでは、アイヌは縄文時代人のほぼ直接の子孫であると説明されてきた。しかし、我々の研究で、アイヌは縄文時代人以外に、シベリア先住民族および本州日本人の遺伝的影響も大きく受けていることが明らかとなった。また、北海道船泊遺跡出土縄文後期人について、世界初となる現代人レベルでの高精度ゲノム解析に成功した。この成果は縄文時代人の遺伝的特徴を考える上で重要なことは勿論、日本列島人の成立を遺伝子から考える上で基盤・礎石となるデータである。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
近藤 修 | 東京大学 | 大学院理学系研究科(理学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
角田 恒雄 | 山梨大学 | 大学院総合研究部 | 特任助教 | (Kakenデータベース) |
神澤 秀明 | 独立行政法人国立科学博物館 | 人類研究部 | 研究員 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)