医療経済評価における非選好型尺度からQOL値へのマッピング手法に関する基礎的研究
【研究キーワード】
QOL値 / 健康効用値 / マッピング / 機械学習 / サンプルサイズ / がん / 医療経済評価 / 費用対効果 / 効用値 / EORTC QLQ-C30 / EQ-5D / 順序効果 / 欠測データ / バイアス / 欠測データ解析
【研究成果の概要】
本年度は主に3つの研究を行った。
1つめの研究として、昨年度から継続して、ソース尺度とターゲット尺度の測定順がマッピングアルゴリズムに与える影響をがん領域の実データを用いた検討した。その結果、より具体的な質問項目が並ぶソース尺度を先に測定すると、ターゲット尺度で健康状態を悪く評価する傾向があることが分かった。現在この研究成果に関しては、論文を作成して投稿し、査読を受けている段階にある。
2つめの研究として、機械学習手法を用いてマッピングアルゴリズムを作成した。幅広いテーブルデータでよい予測性能を示す勾配ブースティング木を用いて、がん領域のマッピングアルゴリズムを作成した。その結果、回帰モデルによりマッピングアルゴリズムより、QOL値の総合的な予測性能の改善は見られなかったものの、回帰モデルにおける課題であった健康状態が良い患者や悪い患者での予測性能が改善する可能性が示唆された。現在この研究成果に関しては、論文を作成して投稿し、査読を受けている段階にある。
3つめの研究として、マッピングアルゴリズムを作成するために必要な最小サンプルサイズ計算法の開発を行った。臨床予測モデルにおける最小サンプルサイズ計算法を修正する形で、線型回帰をマッピングに用いる場合の提案法を作成した。提案法で計算した最小サンプルサイズと既存研究のサンプルサイズを照らし合わせると、サンプルサイズが十分でない既存研究があることを示した。現在この研究成果に関しては、論文を作成して投稿し、査読を受けている段階にある。
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2019-08-30 - 2023-03-31
【配分額】2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)