coordinationレベルの地域包括ケアシステムの評価指標開発
【研究キーワード】
地域包括ケアシステム / アウトカム評価 / 医療的ケア児 / QOL / coordinationレベル / 行政保健師 / 連携 / 評価指標 / 多分野他職種連携
【研究成果の概要】
2020年度までに実施したインタビューのうち5施設8人のデータを基に、医療的ケア児とその家族の生活の拡大につながる多職種支援について分析を行った。まず個別事例のデータを①出生~退院まで、②退院後~3歳、③3歳以降~就学前、④就学以降の4フェーズに分け、子どもの社会生活の広がりや保護者自身の時間の確保・意欲向上の局面に着目し、生活の広がりにつながる支援をQOLの向上につながった支援として質的帰納的に分析した。
語られた事例は12事例であった。フェーズ①「家族が退院後の生活を具体的にイメージできる支援」「家族が納得して意思決定できる支援」等4カテゴリ、②「親がどのような子育てを望んでいるのかを捉える支援」「前例がなくても必要なサービス導入を諦めずに交渉する姿勢」「退院時から地域の生活者として当事者を捉え孤立させない姿勢」等7カテゴリ、③「親が納得して意思決定ができる支援」「医療的ケアへの不安を有する新規支援者に対する支援」等9カテゴリ、④「本人と家族のそれぞれの思いを汲んで支援する姿勢」「当事者を中心に関係機関が自律した情報交換ができる仕組みの構築」等5カテゴリが抽出された。
全フェーズを通じ、当事者が望む地域生活を実現するための支援が抽出された。フェーズ③までは親の意向を捉える必要性が高く、④以降は成長に伴い子どもと親の思いと必ずしも一致しないため、それぞれの思いを汲むことが重要である。多職種が関わるが故に支援体制整備が必要になるのは②以降であり、前例がなくても交渉・開拓する姿勢や新規支援者を支える支援も認められた。④では、親から離れて集団生活を送るためには複数の支援者を要し、その連絡調整の中心が親では負担が大きく、当事者を中心としつつ関係機関が自律した情報交換ができる仕組の構築が求められるという特性があった。
【研究代表者】