Th1/Th2病としての自己免疫疾患の病態解明と予防・治療
【研究分野】応用獣医学
【研究キーワード】
糖尿病 / ループス / 自己寛容 / Th1 / Th2 / 遺伝子治療 / 自己免疫疾患 / CD4^+D25^+T細胞 / CD4^+CD25^+T cell / CpGモチーフ / 環境因子 / ウイルス / 接着分子 / 治療 / 喘息 / アレルギー
【研究成果の概要】
Th1/Th2病としての自己免疫疾患の病態解明と予防・治療に関連した成績の概要は以下のとおりである。
[I]ループス(Th1病):ループスモデルNZBxNZWF_1マウス(雌)を用いて解析し、[1].細菌菌体成分である合成したCpGモチーフは糸球体腎炎・蛋白尿などの臨床病理学的病態を促進し、これはIL-6やIFN-γの産生亢進と関連する事、[2].病態の基本病変は核破砕性毛細血管炎であるが、IL-1やTNF-αなど)の産生によってICAM-1が血管晦皮に発現し、それにリガンドである好中球のLFA-1が接着する事が重要である事。および[3].本病の本態は自己寛容の破綻であるが末梢組織のCD4+CD25+T細胞が寛容維持機構に関与している事が示唆された。
[II]I型糖尿病(Th2病):マウスにレオウィルスにより誘導した自己免疫型の膵島炎は、[1].Th1型のサイトカインと拮抗するIL-4発現プラスミド処置によりによって膵島炎が軽減する事、[2]接着分子(ICAM-1とLFA-1)発現を阻止する事により、病態は軽減し、それとTh1サイトカインの上位にあるIL-12とIL-18の産生が低下する事、および[3].本モデルにさらに合成CpGもチーフの処置とCD4+CD25+T細胞除去により重篤な膵島炎と顕正糖尿病が発現する事が示唆された。
従来Th2病とされてきたループスはそれと拮抗するTh1病である事が明確になった。この成果を基に、新しい治療法として、Th2サイトカインによる予防・治療法の開発につながる可能性が示唆された。一方、糖尿病にはいくつかの分類があるが、それらのなかで、I型の糖尿病の発現に関与する内・外の環境因子の一旦が明らかとなった。
【研究代表者】