胆道がんの臨床病理学的特徴を規定する遺伝子発現・異常の同定と診断・治療への応用
【研究分野】実験病理学
【研究キーワード】
胆道領域がん / 細胞株 / 細胆管細胞癌 / 分子病理学的 / 遺伝子変異 / GSEA / 胆道領遺伝子発現 / 血管新生 / 放射線感受性 / 遺伝子発現 / 新鮮切除検体 / データベース
【研究成果の概要】
予後良好で特徴的な組織形態像を示す細胆管細胞癌(CoCC)に注目して、その分子病理学的意義を検討した。肝内胆管癌(CCC)のCoCC成分の有無による遺伝子発現の差異をGene Set Enrichment Analysis、遺伝子異常をWhole exome sequenceデーターベースを用いて解析した。その結果、CoCC成分を有するCCCは予後良好・炎症反応・血管新生に関連する遺伝子群と優位に相関し、代表的なTP53をはじめとする癌関連遺伝子の遺伝子異常が有意に低く、臨床病理学的所見と合致した。
【研究の社会的意義】
形態学から導かれる胆道領域がんの生物学的特性に関わる臨床病理学的特徴を有する腫瘍として、細胆管細胞癌を選び分子病理学的手法を用いた解析を行なった。その結果、形態学的と臨床病理学的な関連が、分子病理学的にも裏付けされることが示された。本研究から導き出された機能分子や機能解析結果は、不明な点が多い胆道領域がんの腫瘍増殖・進展機構の一端を明らかにしただけでなく、将来の治療戦略や治療評価への応用の可能性を示唆する結果となった。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)