炎症の終息と組織修復に関与する免疫細胞システムの解明
【研究分野】免疫学
【研究キーワード】
免疫制御 / マクロファージ / 制御性T細胞 / 神経炎症 / 組織修復 / 免疫学 / 脳神経 / シグナル伝達 / 生体分子 / 生理活性 / 炎症 / 免疫 / アレルギー・喘息 / 細胞・組織 / 獲得免疫 / 慢性炎症 / 脳梗塞 / 組織損傷 / 創傷治癒 / アストロサイト / 神経症状 / 脳・神経
【研究成果の概要】
マウス脳梗塞モデルを中心に臓器損傷によって誘発される炎症および組織修復に関与する免疫機構を解明した。脳梗塞発症後1日以内の急性期に炎症が起き症状の悪化が起きるが、3日目以降には炎症は終息し始める。これにマクロファージとその表面に発現するスカベンジャー受容体が関与することを明らかにした。さらに発症2週間目以降の慢性期に脳内に大量の制御性T細胞が蓄積し、ミクログリアやアストロサイトの過剰な活性化を抑制して神経症状の回復に寄与することを明らかにした。
【研究の社会的意義】
ヒト脳梗塞とTregの関連を示唆する報告は多い。例えばヒト脳梗塞において末梢血のTregの数と予後の関係が報告されている。セロトニントランスポーター阻害剤(SSRI)は脳梗塞患者の神経症状を改善することが複数報告されている。したがってヒト脳梗塞慢性期においても脳Tregが神経修復に働いている可能性はある。腎傷害モデルにおいてもやはり慢性期にTreg が腎臓に集積し腎機能回復を促進していることを我々は報告している。組織に浸潤するTregは炎症の収束のみならず組織修復にも重要な役割があることが示された。さらに組織特異的なTregを用いた組織特異的な治療法の開発につながることが期待される。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2017-05-31 - 2022-03-31
【配分額】205,790千円 (直接経費: 158,300千円、間接経費: 47,490千円)