コレステロール生合成後段階の阻害剤探索法の開発とその応用
【研究分野】医薬分子機能学
【研究キーワード】
スクアレン・エポキシダーゼ(SE) / ラノステロール合成酵素(LS) / 酵母トランスフォーマント / 阻害剤 / クローニング / 抗真菌剤 / スクアレン合成酵素(SS) / 生育阻害 / コレステロール / スクアレン / スクアレン・エポキシダーゼ / 動脈硬化 / 高脂血症 / スクリーニング / バイオセンサー / スクアレンエポキシダーゼ
【研究成果の概要】
哺乳類のコレステロール生合成後段階酵素に対する阻害剤探索法を開発するに当たり、先ずスクアレン・エポキシダーゼ(SE)を標的酵素に検討した。一次スクリーニング法確立の戦略として、酵母にクローニングした哺乳類SEのcDNAを発現ベクターと共に導入し、酵母と哺乳類のSE両方を発現させ、酵母のSE活性のみを酵母SEに特異的な阻害剤テルビナフィンで阻止し、哺乳類SEを利用した生育条件下でカビや放線菌の分泌物及び菌体成分の中に、哺乳類SEに対する阻害剤の候補が存在するかどうかを生育阻害を指標に検討した。また、酵母のSE欠損株を作成し哺乳類SEのcDNAを発現ベクターと共に導入して生育させた酵母の生育阻害を指標にスクリーニングする方法も合わせ検討した。
導入する哺乳類のSEとしてネズミ、マウス、ヒトのcDNAをクローニングし、酵母のトランスフォーマント作成にはネズミ由来のSEを用いた。酵母のSE欠損株の作成にはまだ成功しておらず、暫定的にトランスフォーマント酵母の生育条件の最適化を計る予備実験を行ない、SE阻害アッセイ系の構築としての培養、判定条件を設定した。既知の抗真菌活性物質39薬剤をアッセイに供した結果、15薬剤については1〜0,01μg/mlで生育抑制を示したが、組換体のみに特異的に生育抑制を示すサンプルはなかった。一方、ポジティブコントロールであるNB-598はホストに比べ100倍強い生育抑制を示した。現在まで570サンプルの菌体成分についてのアッセイを終了したが、少なくとも5%以上の生育抑制を示したサンプルは18サンプルあり、組換体のみに特異的に生育抑制を示すサンプルは9サンプル存在したが、何れも生育抑制活性は弱く、これらについては広い濃度を採り、阻害活性を検討中である。
【研究代表者】