立位の単純CT画像を用いた人体の解剖学的構造の定量化~臥位撮影との比較~
【研究分野】放射線科学
【研究キーワード】
CT / 重力 / 体位 / 立位 / 静脈 / 骨盤底 / 肺 / 脳 / 脊椎管狭窄症 / 骨盤脱 / 鼠経ヘルニア / 臥位 / 座位 / 肺容積 / 骨盤底筋群 / Computed tomography / upright / supine
【研究成果の概要】
メーカーと共同開発した世界初の立位CTを導入し、ファントム実験にて物理特性が従来の臥位CTと同等であること、臥位CTに比べ入退出時間が有意に短く、ワークフローが向上することを確認した。健常人180例で立位での人体の解剖学的構造を検討した。従来、脳は体位によって動くことはないとされてきたが、立位では位置の下垂が見られこと、肺は立位で容積が増大するが、変化率は葉により異なり、中葉は不変であること、骨盤底は女性の方が男性より、また加齢に伴い下垂の程度が大きくなることがわかった。また、静脈容積は体位により変化するが、その変化の仕方が上半身と下半身で異なり、脳内静脈は体位よる変化がないことがわかった。
【研究の社会的意義】
これまで画像診断は、臥位撮影で器質的疾患の定量・定性評価を担い、生命予後の改善に貢献することを目標としてきた。超高齢化社会を迎え、健康長寿を実現するためには、機能的疾患を早期に発見することの重要性が高まってきた。ヘルニア、脊椎管狭窄症、骨盤脱などの立位で症状の増悪する病態は多くあり、立位撮影の必要性が今後高くなると思われる。今回の正常人での解剖学的構造の定量化は、機能性疾患の早期発見のための異常値を規定するための基礎データになる。また、臥位と比べた解剖学構造の動的変化率を検討することにより、立位のみや臥位のみの静的データと違い、新たな早期発見の指標になる可能性がある。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
名倉 武雄 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 特任教授 | (Kakenデータベース) |
荻原 直道 | 慶應義塾大学 | 理工学部(矢上) | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)