代謝産物を介した多細胞間ネットワークの統合的解析による臓器機能in toto把握
【研究分野】内科学一般およびその関連分野
【研究キーワード】
代謝産物 / 液性因子 / 細胞間送達 / 質量分析イメージング / 腸内細菌叢 / 母児連関 / 臓器機能 / 非感染性疾患 / 胎児発育 / 短鎖脂肪酸 / 臓器連関 / 無菌マウス / 糖尿病性腎臓病 / 代謝変容 / マスイメージング / メタボローム / 急性腎不全 / ATP / アデニンヌクレオチド / 腎臓 / 腎不全 / 多細胞間ネットワーク
【研究成果の概要】
本研究では個別の臓器, 細胞, 分子にとらわれず、代謝産物の細胞間送達による臓器機能の維持と、その破綻に伴う非感染性疾患の発症・進展について検討した。新しい解析手法である質量分析イメージジング法やメタボロームを駆使して、これまで把握が困難であった低分子代謝産物の、臓器機能制御における意義を明らかにした。非感染性疾患の発症に妊娠時の成育環境や、母体腸内細菌叢由来の代謝産物が影響を与えることを見出した。代謝産物送達の観点から臓器機能とその破綻病態を理解する試みは、細胞内での分子機能解析に基づく既存の分子生物学的アプローチとは異なるものであり、挑戦的研究にふさわしい独創性のある成果をもたらした。
【研究の社会的意義】
これまでの医学研究では、臓器の構成要素の一つ一つに焦点を当て、分子生物学的手法に基づき、個々の分子の細胞内の役割を検討することで、臓器機能に関する知見を断片的に集積してきた。しかしながら、実際の臓器は多数の要素で構成され、それらは液性因子を介した、お互いのコミュニケーションが円滑に行われることで初めて機能を発揮し、細胞間分子送達の変調は、非感染性疾患の発症に直結する。本研究では、臓器および生体を構成する要素の有機的連携に着目し、代謝産物の送達を介した臓器内・臓器間の情報伝達により制御される、臓器・生体における多細胞間ネットワークの解析から、臓器機能ならびにその破綻病態の理解を目指す。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
宮下 和季 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 特任准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2017-06-30 - 2020-03-31
【配分額】26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)