動物におけるアフラトキシン解毒機構の研究
【研究分野】応用獣医学
【研究キーワード】
アフラトキシン / グルタチオンSトランスフェラーゼ / マストミス / ハムスター / マウス / ラット / グルタチオントランスフェラーゼ / アルデヒド / リダクターゼ
【研究成果の概要】
マストミス、ラット、マウス、ハムスターの肝臓その他臓器のサイトゾル分画におけるアフラトキシンB1(AFB1)のグルタチオン抱合化酵素(グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST))活性を、AFB1-エポキシドを基質として還元型グルタチオン(GSH)とのin vitro反応で生成されるAFB1-エポキシド-GSH (AFB1-GSH)を測定することによって究明した。AFB1-GSAの分析はHPLC(アミノプロピルシリカに共有結合させたDフェニルグリシンを担体とするchiral column)を用いて行ない、基質としてのAFB1-エポキシドは反応系にハムスター肝臓ミクロソームとAFB1を含めることによって供給した。その結果、肝臓GST活性はマストミスで最も高く、以下マウス、ハムスター、ラットの順に高いこと、ラットで性差がみられ、雌は雄よりも有意に高いことが認められ、各動物種のAFB1毒性に対する感受性の差異に対応していた。また肝臓を含む各実質臓器におけるGST活性については、マストミス、ハムスター、マウス及び雌ラットにおいては、6臓器のうち肝臓に最も高い活性が認められたが、雄ラットにおいては、肝臓の活性が低いことを反映し、小腸に最も高い活性が認められた。肝臓、小腸、腎臓、精巣については、マストミスが他動物種よりも高い活性を示し、脳と肺については、マウスがマストミスと同程度、または最も高い活性を示した。またGST以外でAFB1の解毒に関与すると考えられているAFB1-アルデヒドリダクターゼ(AF-AR)については、AFB1-アルデヒドを基質とし、反応生成物であるAFB1-ディアルコールをHPLCで分析する系を構築し各動物種の肝臓における活性を測定した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
平山 和宏 | 東京大学 | 大学院・農学生命科学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
土井 邦雄 | 東京大学 | 大学院・農学生命科学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2002 - 2003
【配分額】14,900千円 (直接経費: 14,900千円)