ホウ酸ホメオスタシスのヒト・マウス細胞および個体における生理学的意義の探索
【研究分野】動物生理・行動
【研究キーワード】
ホウ酸 / ホメオスタシス / Slc4a11 / アクアポリン / イオン輸送体 / 細胞増殖
【研究成果の概要】
ホウ酸は微量栄養素として必須であるが、過剰に摂取すると毒性を示す。哺乳動物や魚類のホウ酸ホメオスタシスを担う分子機構は明らかでない。我々は魚類が海水に含まれるホウ酸の過剰摂取から身を守るためホウ酸を尿中に排出することを見出し、B(OH)4-チャネル(Slc4a11)及びB(OH)3チャネル(AQP3, 7, 8, 9a, 9b)を同定した。さらにヒトAQP3, 7, 8, 9, 10もB(OH)3チャネルとして機能することを見出したが、ヒトSlc4a11からB(OH)4-チャネル活性を検出できなかった。哺乳動物のホウ酸ホメオスタシスは主にAQPファミリーが担う事が示唆された。
【研究の社会的意義】
ホウ素は植物の細胞壁を構成する元素の1つとして知られ、その重要性や代謝について植物を用いた研究が進んでいる。一方、動物でもホウ素は微量栄養素とされているが、その機能や代謝を担う分子メカニズムは明らかでない。本研究により、哺乳動物や魚類の細胞の細胞膜に存在するホウ酸輸送体を特定した。その結果、腸でホウ酸を吸収する経路や腎臓でホウ酸を排出する経路についてさらに詳細に解析することが可能になり、哺乳動物がホウ酸を代謝する経路の理解に大きく貢献することが期待される。
【研究代表者】
【研究連携者】 |
藤原 徹 | 東京大学 | 農学生命科学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2013-04-01 - 2015-03-31
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)