ESI冷却イオントラップ分光法によるアドレナリン受容体の分子認識機構の解明
【研究キーワード】
赤外分光 / 分子認識 / レーザー分光 / 受容体 / ペプチド / アドレナリン受容体 / カテコールアミン神経伝達物質 / 質量分析 / 冷却イオントラップ
【研究成果の概要】
1)アゴニスト等に対する受容体ポケットの分子認識検証
イソプレナリンのみならずβ2-アドレナリン受容体に認識されて動作させる分子(アゴニスト)が受容体ポケットであるSIVSFにどのように結合するのかを明らかにするために,アドレナリンが有するOH基を1個ずつ除いたシネフリン,フェニレフリン分子(アゴニスト)とSIVSFペプチド複合体をエレクトロスプレーで生成し,冷却イオントラップ内で紫外・赤外スペクトルを測定した。
2)種々のアドレナリン受容体に対するボトムアップアプローチの適用
アドレナリン受容体はβ2-受容体に加えてα1-, α2-, β1-などの受容体がある。これらの受容体でも,分子認識を司るポケットに対応する 部分ペプチドが、受容体本体と同様の分子認識を示すのか否か検証した。アドレナリンをリガンドとして固定し,β1-受容体のポ ケットSVVSFやα2B-受容体のポケットSIGSFなどのペプチドを合成し,これらがアドレナリンに対してどのように結合するのかをボトムアップアプローチにより調べ,結合様式がどのように変化するかを明らかにした。
3)非天然受容体ポケットの分子認識能の検証 2)で測定対象とするペプチドにSIXSF(X=A)のような非天然配列も加えてアドレナリンに対する結合様式の変化を ボトムアップアプローチで明らかにした。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
石内 俊一 | 東京工業大学 | 理学院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
平田 圭祐 | 東京工業大学 | 理学院 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】44,720千円 (直接経費: 34,400千円、間接経費: 10,320千円)