日本文化の普遍性と特殊性に関する文化人類学的比較研究
【研究分野】文化人類学
【研究キーワード】
普遍性 / 特殊性 / エズニシティ / 文化変容 / 伝播 / イメージ / オリエンタリズム / ジャポニズム / 日本文化 / 国際化 / 日本観 / ジャパネスク
【研究成果の概要】
本研究は、近世以降日本文化との恒常的接触、交渉がみられた国々ないし地域における日本文化の伝播、受容、変容などの実態を歴史的、構造的、比較的に追究することによって、日本文化の性格の普遍性と特殊性を明らかにすることを目的としており、昭和63年度の研究では、問題の所在の確認と先行研究の整理分析を研究分担者が個々または共同で行い、セミナー形式の全体研究会で共同討議を行うことによって次のような研究実績をあげることができた。
(1)日本文化とは何かを、言語(日本語)、文学・音楽・芸能、宗教・価値観、技術、食物、社会組織の6項目に分け、その各々について日本文化とよびうるものについてカテゴリーを「人間関係領域分類」(Human Relation Area File)と照合をおこないつつ設定した。
(2)先行研究の整理分析と問題の所在:日本文化の伝播、受容に関する内外にわたる先行研究を、全般にわたって整理しなおし、問題の所在の確認をおこなった。この場合エドワード・サィードの「オリエンタリズム」の思想はきわめて示唆に富むものであった。
(3)国別事例の研究:西ドイツ、フランス、アメリカ、ハワイ、韓国、台湾、中国、ブラジル、タイ、フィリピンなど11ヶ国ないし地域の文化と日本文化との接触交流について、各研究分担者がこれまでそれぞれの専門地域について集積した知見にもとづき研究報告をおこない、討議を重ね理解を深めた。
(4)文化項目別事例研究:国別事例研究により得られた材料を整理し、上記6項目について、その伝播、受容、変容のプロセスを各研究分担者が分析することによって、みるべき成果を得た。
【研究代表者】