固体表面における炭化水素ラジカルの発生とその反応性に関する研究
【研究分野】物理化学一般
【研究キーワード】
ラジカル / 赤外分光法 / アルミニウム単結晶 / ジヨ-ドメタン / カルベン / 超高真空 / 表面選択則 / 配向 / 選択則 / 典型元素 / 表面 / ジョ-ドメタン / アルミニウム / 単結晶 / エッチング / アルミニウムハイドライド / 高感度反射赤外分光法
【研究成果の概要】
本研究課題で前年度までに製作した二重変調高感度反射赤外分光(DMーFTIRAS)、低速電子線回折(LEED)、オ-ジェ電子分光(AES)更に昇温脱離法(TPD)の行なえる超高真空装置内で単結晶アルミニウムAl(111)表面に吸着したCH_2I_2の吸着状態について詳細に検討した。超高真空装置の背圧は約3×10^<-10>Torrであった。
まずLEEDーAESで表面が清浄化されかつ規則正しく配列した。Al(111)単結晶表面にCH_2I_2を約100Kで吸着させ、DMーFTIRASで観則した。その結果100Kという低温でも、既にAl表面とCH_2I_2の反応が一部進行し、表面炭化水素種が生成していることが確認された。これらは分子状のCH_2I_2より低波数側に2本のCーH伸縮振動のバンドを与える。これに対し、表面吸着量を増加させていくと次第に分子状吸着をしたCH_2I_2の量が増加してくることが約3000cm^<-1>のCーH非対称伸縮振動の強度変化から明らかとなった。更に、分子状吸着したCH_2I_2に関しては赤外吸収の表面選択側からその配向についても検討した。その結果CH_2の非対称伸縮振動は観測されるのに対し、CH_2対称伸縮振動は全く観測されなかった。これはHーCーHを含む面がAl表面に垂直になり、IーCーI面が平行になった吸着していることを意味する。この配向については、低波数側のCH_2変角振動の領域の観測結果からも支持される。この配向と更に各原子の共有結合半径を考慮すると二個のヨウ素原子がAl表面と強く相互作用していることが判り、これが同時に反応することによりカルベンCH_2やエチレンC_2H_4を低温でも生成することができるものと考えられる。更にCH_2I_2が多層吸着した場合でもアニ-ルすることにより同様の配向が得られた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
堂免 一成 | 東京工業大学 | 資源化学研究所 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】一般研究(B)
【研究期間】1988 - 1990
【配分額】6,700千円 (直接経費: 6,700千円)