Lab-on-a-chipによる細胞内デリバリーキャリアナノ粒子の創製
【研究キーワード】
アミノ酸型脂質 / マイクロ流体デバイス ナノ粒子 / リポソーム / フローマイクロ合成 / Lab-on-a-chip / 脂質ライブラリー / 薬物運搬システム / マイクロ流体デバイス / ナノ粒子 / マイクロフロー反応デバイス / 脂質ナノ粒子 / 細胞内デリバリー
【研究成果の概要】
優れた細胞内デリバリー能を持つキャリアナノ粒子は、薬物運搬システム(DDS)の開発のみならず、核酸医薬品やゲノム編集における遺伝子治療用キャリア、そしてワクチンの開発においても重要である。本計画では、Lab-on-a-chipデバイスを用いて、A.アミノ酸型脂質の合成、B.キャリアナノ粒子の調製、 C.キャリアナノ粒子による薬物の細胞内デリバリー評価 までのプロセスを連結させて、脂質や薬物の種類に応じたキャリアナノ粒子の最適化を多変量解析から行う。具体的には、Aでは、フローマイクロ反応デバイスにて脂質各部を連結させて得られるライブラリーに対して、Bのマイクロ流体デバイスを用いて薬物担持キャリアナノ粒子(薬物内包リポソームや核酸複合脂質ナノ粒子)を構築し、Cのマイクロ流体デバイスを用いてキャリアナノ粒子と細胞を混合し薬物や核酸の細胞内デリバリーをフローサイトメトリーや共焦点顕微鏡の画像解析から評価する。各プロセスについて重回帰分析から各条件の最適化を高効率に行うことで、多様な構造の脂質と組成や大きさの異なるナノ粒子の分散液に対して、その細胞導入効果 を一挙に評価することができる。2021年度は、A.確立したフローマイクロリアクタを用いた合成法が他の脂質に条件を調節すれば適用できることを確認し、スペーサー部を合成してライブラリーを充実させた。B.Herringbone構造のマイクロ流体デバイスでは、流路に目詰まりが頻度高く発生し、その除去や洗浄工程が煩雑になる課題が認められ、別構造・素材のマイクロ流体デバイスの探索を始めた。また、精製工程に供する中空糸モジュールを自作し、重回帰分析にて条件の最適化を行った。特に脂質収率は流路の前処理により向上すること見出した。C.細胞評価に関してはリポソーム添加後の細胞内カルシウム振動をAIによる画像解析する方法を想起した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)