マイクロバブル内包ベシクルの医療・産業応用に向けた基盤技術の研究開発
【研究キーワード】
マイクロバブル / 超音波 / ドラッグデリバリーシステム / ベシクル / 気泡クラスター / マイクロチャネル / 油水界面通過法 / 液滴
【研究成果の概要】
本研究では,マイクロバブルの医療・産業応用を目指し,用途に合わせたマイクロバブル内包ベシクルを設計・作成するための学術的基盤を構築し,実際にデバイスの開発を行う.具体的には,直径1~5ミクロンのマイクロバブルを直径5~100ミクロンのベシクルに内包させる技術を確立する.特に超音波ドラッグデリバリーへの利用が期待されている直径5ミクロンのマイクロバブル内包ベシクルを安定に作成する手法の開発を重視して研究を進めている.現在までのところ,フローフォーカス型デバイスの流路形状を改良することにより,これまでのものに比べ,直径5ミクロン以下の微小水滴を大量に油相中に生成することに成功している.また,超音波血管造影剤として用いられるマイクロバブル(ソナゾイド)を混入した水溶液を用いることにより,5ミクロン以下の水滴中にマイクロバブルを内包させることにも成功した.さらに,マイクロバブルを内包した液滴に対して,油水界面通過法を用いて,5ミクロン以下のマイクロバブル内包ベシクルを生成することにも成功している.現時点では,生成された5ミクロン以下のベシクルに関してマイクロバブルの内包率が,低いのが問題となっている.これに関しては,マイクロチャネル内の液滴生成プロセスを高速度カメラにより撮影し,フローフォーカシングデバイスの液滴生成部において,水中に混入させたマイクロバブルが水中の不純物の影響により気泡クラスターを形成してしまい,小サイズのベシクルに取り込まれづらくなっているのを見つけだした,現在,流路に不純物が混入しづらくするための工夫および,生成されたベシクルの中から,マイクロバブル内包ベシクルのみを選択的に回収する手法の開発を行っている.
【研究代表者】