炎症誘導性の細胞死に着目した、慢性炎症性疾患の病態の解明と治療法の開発
【研究分野】健康科学およびその関連分野
【研究キーワード】
細胞死 / 炎症 / 脂肪酸 / 炎症性サイトカイン / パイロトーシス / カスパーゼ / ガスダーミンD / 光プローブ / インターロイキン1β / ガスダーミンD / カスパーゼ1
【研究成果の概要】
近年、炎症誘導性細胞死の存在に注目が集まっており、これらが周囲の細胞に様々なシグナルを発信して、炎症、免疫応答、線維化、修復、再生といった細胞死後の生体応答をコントロールしている可能性が明らかになってきている。これらは単球やマクロファージ細胞のような免疫細胞でこれまでに報告されているが、実質細胞では報告は少ない。我々は、マウスの肝実質細胞株に各種脂肪酸を投与し、炎症性サイトカインを生成・分泌するかどうかを検討し、パルミチン酸を投与することで炎症性サイトカインを生成・分泌し、その後の細胞死を誘導することを明らかにした。
【研究の社会的意義】
この結果は、パルミチン酸が肝傷害を誘導するだけでなく、炎症性サイトカインを積極的に分泌することで肝炎を惹起する可能性、さらには脂肪肝から非アルコール性脂肪肝炎の病態形成・進展へ関与する可能性を示唆している。今後、ステアリン酸などの飽和脂肪酸についても同様の検討を行い、特定の脂肪酸による肝炎発症・促進効果に関して検討する予定である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小澤 岳昌 | 東京大学 | 大学院理学系研究科(理学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
尾崎 倫孝 | 北海道大学 | 保健科学研究院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2017-06-30 - 2022-03-31
【配分額】6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)