自己免疫性関節炎発症におけるサイトカイン機能の解析
【研究分野】免疫学
【研究キーワード】
自己免疫 / サイトカイン / 関節リウマチ / 疾患モデル動物 / 樹状細胞 / 炎症性疾患 / 自然免疫 / C型レクチン / マウス / 発生工学 / 自己免疫疾患 / マイクロアレイ / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス
【研究成果の概要】
我々はHTLV-I TgマウスとIL-1Ra KOマウスの2種類の関節リウマチモデルを独自に開発し、その発症構の解析を行って来た。マイクロアレイによる発症関連遺伝子の網羅的解析の結果、樹状細胞やマクロファージで発現するC型レクチンファミリーに属する遺伝子が2種類のモデルマウスの関節局所で発現亢進していることを見いだした。本研究ではそれらのC型レクチンのノックアウト(KO)マウスを作製し、これらの遺伝子の、1.樹状細胞の分化・増殖における役割、2.抗原提示能におよぼす影響、3.関節炎発症における役割、を明らかにすることを目的とした。
現在までにこのC型レクチンファミリーに属する遺伝子のうち、3種類のKOマウスを作製した。そのうち、Dectin-1はβグルカンのレセプターであり、サイトカイン産生と活性酸素種(ROS)を同時に産生することを明らかにした。また、病原性真菌であるP.cariniiの感染防御に重要な役割を果たしていることを示した。また、DCIRは細胞内に抑制性モチーフであるITIMを有するが、機能は不明であった。このDCIR KOマウスを作製したところ、自己免疫性の唾液腺炎や関節炎を自然発症する事を見いだした。In vitroでは、骨髄由来樹状細胞(BMDC)が野生型マウスに比較しより増殖していた。この時、GMCSF受容体の下流のシグナルを伝えるSTAT5のリン酸化が亢進していた。さらにDCIR KOマウスはコラーゲン誘導関節炎に対する感受性も亢進しており、発症率が高くなっていた。このことから、DCIRは関節炎治療薬の標的となる可能性が示唆された。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
西城 忍 | 東京大学 | 医科学研究所 | 助教 | (Kakenデータベース) |
角田 茂 | 東京大学 | 医科学研究所 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【配分額】15,550千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 1,050千円)