マルチオミクス機械学習による制御性T細胞の可塑性と不均一性の解明
【研究キーワード】
マルチオミクス解析 / 免疫寛容 / 制御性T細胞 / 角膜移植 / 眼免疫 / RNAseq / 機械学習 / マルチオミクス / 不均一性 / 可塑性
【研究成果の概要】
角膜移植は世界で年間60,000件以上行われる最も多い臓器移植であるが、感染症や再移植で血管新生や炎症が惹起された高リスク角膜に対する移植では40-90%の拒絶反応を伴う。制御性T細胞の挙動が拒絶反応克服の手がかりであるが、炎症などの外部環境の変化により転写因子であるFoxp3が発現を失って免疫抑制能が低下する現象「制御性T細胞の可塑性」に申請者は注目した。ただし、制御性T細胞の不均一な特性がその有効活用を阻んでいる。
そこで本研究は、実験的に血管新生と炎症細胞を誘導した高リスク角膜移植系を用い、そこで出現する制御性T細胞に対してマルチオミクス解析と機械学習との新しい連携により制御性T細胞の可塑性・不均一性に関わる分子プロファイルの挙動全貌の解明に挑む。この成果により、制御性T細胞の免疫抑制能を低下することなく、移植臓器へ安定的に誘導する免疫誘導経路の確立を目指す。
該当年度は、角膜移植後の角膜移植片を採取し、シングルセルRNAシークエンスを実施した。シークエンスされた遺伝子に対し、深層学習ならび次元削減アルゴリズムを用い、角膜移植片における免疫細胞を31個の免疫細胞のクラスターに層別化した。そのうち、T細胞の含まれるクラスターを特定し、発現変動遺伝子を解析したところ、高リスク角膜移植では、120遺伝子の増加と144遺伝子の発現の減少が明らかになった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
中村 正裕 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 特任助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)