電気化学的手法を活用した超原子価有機臭素および塩素化合物の合成とその反応
【研究キーワード】
超原子価 / 塩素 / 臭素 / 電解 / 酸化 / ハロゲン / 電気化学
【研究成果の概要】
本研究の目的(電気化学的手法による全く新しい三価の超原子価臭素および塩素化合物の高効率合成法の開発)について、当初予定していた、臭化アリールおよび塩化アリールの分子設計、高い酸化耐性を有する電解質・溶媒および電解に適した電極材料について精査し、臭化アリールについて適した条件を見出すことにはじめて成功した。これにより適切に設計することにより臭素化合物を陽極酸化により、超原子価臭素化合物を合成できることを明らかにすることができた。また、反応条件下に生じた超原子価臭素化合物は酸化剤として機能し、ホスフィンなど種々の基質の酸化的変換が進行することが明らかになりつつある。そこで、これを活用し、臭素化合物をメディエーターとする触媒的酸化反応の開発にも着手している。我々の従来の検討により超原子価臭素化合物は、同族の超原子価ヨウ素化合物のみならず既存の試薬では進行しないと考えられてきた反応が実現可能であることが既に判明しているため、代替困難な化学変換を実現できる可能性が高いと期待される。一方、塩化アリールの酸化は容易ではなく、現在のところ適した条件を見出すことができていないため、更に詳細にわたり反応条件の検討を進める。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)