磁性ナノ粒子配列型量子ドットのプリント形成と走査型磁気ヘッドによる記録再生
【研究分野】電子デバイス・機器工学
【研究キーワード】
磁気記録媒体 / 磁性ナノ粒子 / 自己組織化 / ナノ粒子アレイ / 磁気異方性 / 規則合金 / Fe-Pt / ナノ粒子 / ラングミュア・プロジェット法 / ラングミュア・ブロジェット法 / FePt / 磁気緩和 / LB法
【研究成果の概要】
本研究は1平方インチあたり1テラビット以上の面記録密度目標として,Fe-Ptナノ粒子アレイを磁気記録媒体に応用する要素技術を開発し,その実現の可能性を探査することを目的とした.そこで,以下の知見を得た.
1)粉末試料でFe-Ptナノ粒子の物性評価を行なった結果,X線回折から求めた長距離規則度に加え,メスバウアー分光により短距離規則度を評価することも有益な情報が得られることを見出し,規則度と磁気異方性との相関について検討した.異方性の評価には異方性磁界の分布も考慮に入れる必要があり,特に部分的に規則化した試料についてはその分布がブロードになり,低異方性磁界成分のほうに広がることを明らかにした.
2)マイクロ波照射による加熱を利用したポリオール還元法で部分的ではあるが,化学溶液プロセスだけでの規則合金Fe-Ptナノ粒子の直接合成に成功した.反応温度は250℃で80kOe以上の異方性磁界を得た.
3)ラングミュア・プロジェット(LB)法で,飽和脂肪酸(C,H_<2n>O_2)分子をFe-Ptナノ粒子分散溶液に混合して水面上に滴下すると,飽和脂肪酸単分子膜がバッファー層として水面上に形成され,凝集やドメインの形成が抑制されたFe-Ptナノ粒子単層膜の作製に成功した.nが14以上の分子で効果があり,n=14のミリスチン酸が配列規則性などの点で最も優れていた.
4)Fe-Ptナノ粒子単層膜を熱処理する際に発生する焼結の問題を解決するために,カーボン・スパッタ膜をオーバーコートした.その結果,焼結が抑制され,集積膜中の比較的孤立したFe-Ptナノ粒子を規則化させることに成功した。ただし,規則化のために必要な熱処理温度はより高く,時間はより長くなる傾向となった.カーボン・オーバーコートしたFe-Ptナノ粒子集積膜を最適な条件で熱処理することにより4〜5nmの粒子寸法で4.8x10^7erg/cm^3と高い磁気異方性を実現した.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
谷山 智康 | 東京工業大学 | 応用セラミックス研究所 | 講師 | (Kakenデータベース) |
松下 伸広 | 東京工業大学 | 応用セラミックス研究所 | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2002 - 2004
【配分額】17,000千円 (直接経費: 17,000千円)