口腔前癌病変の悪性化に伴うエピジェネティックな変異と遺伝子情報調節の解明
【研究分野】外科系歯学
【研究キーワード】
エピジェネティクス / 口腔癌 / 口腔前癌病変
【研究成果の概要】
【ゲノム網羅的DNAメチル化探索】
個別の症例の性質ではなく、複数の症例に関連したDNAメチル化の違いを同定するために口腔扁平上皮癌のDNA2サンプルについてゲノム網羅的なDNAメチル化検索を行った(Ushijima, T., Nat Rev, 2005)。口腔癌においては、ゲノム網羅的DNAメチル化解析の有力な手段である。ゲノム網羅的なDNAメチル化解析には細胞株を使用する方が感度が高いことが知られているため口腔扁平上皮癌細胞株2系統をJCRB細胞バンクより購入し解析に用いた。
【ゲノム網羅的DNAメチル化探索により得られたメチル化CpGアイランド】
口腔扁平上皮癌細胞株2系統でメチル化されていたCpGアイランドのフラグメントは約40,000個、そのうちプロモーター領域のものは1%程度であった。
【ゲノム網羅的DNAメチル化探索により得られたフラグメントのメチル化状態の確認】
ゲノム網羅的DNAメチル化探索により得られたフラグメントにおいて、口腔白板症粘膜上皮と口腔扁平上皮癌のDNAサンプル間で実際にメチル化の違いが存在するか否かを確認するためにMethylation-Specific PCR(MSP)法によるメチル化解析を行っている。MSP法ではメチル化DNA特異的プライマーおよび非メチル化DNA特異的プライマーを各々デザインした。メチル化解析に用いるDNAサンプルは制限酵素で断片化、Bisulfite(重亜硫酸ナトリウム)処理による塩基置換を行った後、精製し、解析に用いる。一回のBisulfite処理には、信頼できる結果を得るために各々最低500ngのDNAを用いた。今後、メチル化の違いが確認できたフラグメントに関してBisulfite-sequencing法を用いて各々のCpGサイトがどのようにメチル化されているか詳細に検討する予定である。
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2009 - 2010
【配分額】3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)