細胞外核酸の包括的解析による粘膜治癒機構の解明
【研究分野】消化器内科学
【研究キーワード】
炎症性腸疾患 / 粘膜修復 / 細胞外核酸 / ATP / 糖ヌクレオチド / 間葉系細胞
【研究成果の概要】
炎症性腸疾患の治療においては、炎症のコントロールに加えて、腸管の「粘膜修復・再生」を促進する創薬が次世代治療に不可欠であると考えられる。そこで、本研究では、炎症の増悪化と修復に関わる細胞外因子として細胞外核酸に着目し解析を進める。特に間葉系細胞で高発現するアデノシン3リン酸(ATP)等の「細胞外核酸」の受容体についての解析を行っている。
本共同研究では細胞外核酸研究の第一人者であるカルフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のPeter Ernst教授と共に、核酸代謝酵素・受容体欠損マウスを駆使し、細胞外核酸を介した粘膜修復機序の全容の解明を目指している。
本年度は、マウスの大腸非血球系細胞を単離し、遺伝子プロファイリングを行った。その結果、特定のアデノシン受容体、プリン受容体(P2X4受容体)、UDPグルコースといった糖ヌクレオチド受容体(P2Y14受容体)が非血球系細胞に高発現していることを見出している。そこで、新たにP2Y14受容体欠損マウスについてEMMA社から購入手続きを進め、P2Y14受容体欠損マウスの導入を進めた。しかしながら、遺伝子改変マウスの購入手続きが停滞がしたことから、Donald N. Cook 博士(Senior Investigator, Immunity, Inflammation and Disease Laboratory、National Institute of Environmental Health Sciences、National Institutes of Health)と新規に共同研究契約を締結し、UCSDにP2Y14受容体欠損マウスを導入し、コロニーの拡充を進めている。
【研究代表者】
【研究種目】国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
【研究期間】2019 - 2022
【配分額】15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)