胃上皮幹細胞の分化制御機構の解明
【研究分野】消化器内科学
【研究キーワード】
胃上皮幹細胞 / 萎縮性胃炎 / 粘膜再生 / 腸上皮化生 / 分化 / 胃癌 / アセチルコリン / 遺伝子発現解析 / 内科 / 細胞・組織 / ゲノム / マイクロアレイ / 発生・分化
【研究成果の概要】
胃の幹細胞と前駆細胞および各種成熟細胞の遺伝子発現解析によりそれぞれの選択的なマーカーを新規に同定し、またそれぞれを標識可能なマウスを作成した。幹細胞その他の細胞群が発癌の超初期の段階において、どのような病理学的・分子学的変化を生じるのかについて、マウスモデルによる詳細な時系列解析と遺伝子発現解析によりその機序を明らかにした。幹細胞の増殖や粘膜再生がTuft細胞を介したアセチルコリン-ERK経路によって制御されていることを明らかにし、さらに胃炎・胃癌の発生前段階で生じる壁細胞の消失を改善させる化合物を同定した。
【研究の社会的意義】
新規の胃上皮幹細胞マーカーの同定とその制御機構を解明したことにより、胃発癌や粘膜再生のメカニズムを明らかにすることに貢献した。
胃癌や腸上皮化生は成熟細胞ではなく幹細胞・前駆細胞から発生することが明らかになり、より選択的な治療標的の同定や、発癌予測のバイオマーカーの樹立に役立つ可能性がある。
Tuft細胞や壁細胞の分化制御機構やその粘膜再生における機能を明らかにしたことで、今後の胃癌に対する予防や治療の開発に結びつく可能性がある。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】25,480千円 (直接経費: 19,600千円、間接経費: 5,880千円)