顔形状を規定するゲノム変異の網羅的探索によるゲノム・モンタージュ技術の開発
【研究分野】生命・健康・医療情報学
【研究キーワード】
ゲノム多型 / 顔形状 / モンタージュ / 人類学 / 情報システム / 双生児 / 遺伝率 / ゲノム / 画像
【研究成果の概要】
一卵性双生児はよく似た顔をしていることから、ヒトの顔形状には遺伝要因が強く働いていると考えられる。そこで本研究では、ゲノム情報と顔形状データを大規模に収集・解析することにより、顔形状の個人差を規定する遺伝要因の解明をめざした。日本人ボランティアに対する測定会を実施し、双生児ときょうだい合計186名について顔3D形状の測定とゲノム多型解析を実施した。これを用いて顔形状のさまざまな部位における遺伝率を推定した。また、東北大学加齢医学研究所が収集した380名のゲノム多型解析を行い、頭部MRI画像と合わせたゲノムワイド関連解析を進めた。以上によりゲノム・モンタージュ技術開発の基盤整備に成功した。
【研究の社会的意義】
本研究では双生児およびきょうだいの調査に基づく顔形状の遺伝率推定を行ったが、これは日本人集団については初めての試みであり、学術的な意義がある。また、現在進行中の顔形状に関するゲノムワイド関連解析の結果を使えば、個人のゲノム配列から顔形状を推定するソフトウエアである「ゲノム・モンタージュ」を作成することが可能であり、将来は法医学分野をはじめとする社会の各方面での応用が期待される。
【研究代表者】