北方林における気候変動への適応:生態系レジリエンスの保全をめざした生態系管理
【研究分野】環境農学(含ランドスケープ科学)
【研究キーワード】
気候変動 / 生態系管理 / 適応策 / レジリエンス / リスクモデル / 森林計画 / 長期予測 / シミュレーションモデル / 森林管理 / 台風かく乱 / 景観シミュレーション / レジスタンス / 大規模風倒かく乱 / 炭素蓄積 / 植生動態 / 風倒かく乱 / 種組成 / 機械学習法 / 長期プロット / 衛星画像 / 植生動態予測 / かく乱 / 生態系 / 予測モデル
【研究成果の概要】
気候変動は災害リスクを増大し、生態系の劣化を助長する。陸上生態系において最も甚大な影響を受けうる北方林を対象として、気候変動の緩和策と適応策に関する総合的な研究を行った。具体的には、気候変動による頻度と強度の増大が予想される、台風による森林倒壊(風倒)を題材として、(1)気象・地形・森林の多変量を含む風倒リスクモデルの開発により、倒壊する材積を最小化する人工林配置計画の立案、(2)風倒後の中・長期観測から風倒後の森林再生を促進する森林管理方法を解明、(3)風倒ならびに多様な施業管理後の森林構造を長期予測するモデルの開発と最適な森林管理方法の提案、を行った。
【研究の社会的意義】
学術的意義:IPCCで提案された気候変動リスク構造の概念を、実際の風倒リスクモデルの構築に応用したことで、これまで知られていなかった大雨を伴う台風による森林倒壊プロセスの解明や、倒壊後の再生を促進する具体的な森林管理の提案に活かすことができた。
社会的意義:気候変動の緩和と適応に貢献する政策が求められるなか、日本における主要な森林災害である風倒後の森林管理の在り方、風倒前にできる森林管理の在り方について、一定の科学的根拠を提供できた。
【研究代表者】