マウス腸内細菌におけるゲノム変異速度の解明
【研究キーワード】
腸内細菌 / ゲノム / 進化 / 寿命 / ゲノム進化 / 共生 / 食事
【研究成果の概要】
本申請は、腸内細菌が宿主由来の環境圧の下でどのよう にゲノム変異してきたのか、をテーマにし、培養した複数細菌株を無菌マウスに植え、食事条件を変えたグループでトラックする計画を立てている。本年は、2021年4月以降に発表された既報告(Yilmaz et al. Cell Host & Microbe, 2021)を考慮し、無菌動物実験のための細菌培養を継続しつつ、より現実の腸内細菌叢に近いSPFマウスを用いた実験もスタートした。
SPFマウスの長期飼育下での糞便サンプルから、>50検体のショットガンメタゲノムデータと、6検体のロングメタゲノムデータを取得した。得られたロングリードメタゲノムデータからは、同一個体の異なる時期において、同一種の菌のゲノム構造が大きく異なっている可能性が示唆された。また、ショットガンメタゲノムデータをマッピングした結果から、一生の異なる時期において、特定の種/株の増殖速度が大きく変化している可能性が示唆された。
培養実験では、今までに、1000以上のコロニーを単離し、その中から、一生にわたって定着するライフコア細菌を確認した。これらの細菌は、ゲノム解析を行う他、無菌マウスに移植する実験に供与される予定である。
また、無菌動物実験施設利用のための各種手続きと、予備実験として、高脂肪食や高繊維等を用いた食事のintervention実験を行い、腸内細菌の変化を確認した。この時に付随して行った行動試験の結果を論文に投稿予定である。
また、SPFマウスの長期飼育化の糞便サンプルの16S解析の結果を論文に投稿準備中である。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)